風を感じて

ソローネとアグネア。

 


 

 まとわりついて離れない匂い。
 息苦しくなった時は彼女に踊りや歌をせがむようになった。彼女が舞う瞬間だけは爽やかな風が吹いたから。
「あたしがずっとソローネさんの横で踊ってあげるよ!」
 屈託の無い笑顔は、暗闇に慣れた目には眩しすぎるけど。
「ありがとう」
 束の間の安らぎに甘んじる『自由』は、あるよね。

 


First Written : 2023/04/26