3作目:フリギュス
「あーー」
フリンは顔を上げてギュスターヴを見た。
ギュスターヴは机の前に座り、つまらなさそうに目の前の書類をつまみあげている。
「うーー」
彼はまた唸り、机の上に突っ伏す。
フリンは彼の近くまで行って書類を覗き込んだ。続いて、ギュスターヴの顔を見て、頬にちゅっと唇を寄せる。
「?!!」
ギュスターヴはがばっと起き上がって、驚いた顔でフリンを見る。
「なっ? なんのつもりだ?!」
「して欲しそうだったから。違った? レスリーじゃなくてごめんね」
真面目な顔で返すフリンにギュスターヴの顔がみるみる赤くなる。
「お前、ふざけるのもいい加減にしろよ?!」
「わぁ〜、ごめんなさい!」
ギュスターヴが立ち上がって追いかけてくるのを見越してフリンは部屋から逃げ出した。